5月25日、日本ではすべての都道府県で緊急事態宣言が解除された。
それは嬉しいことではあるのだが、残念ながら感染症とその拡大に付随して起きる問題はまだまだ収束しそうにない。
5月28日現在の世界での感染人口は569万7334人(前日比+10万2243人)、死者数は35万5758人(前日比+5211人)であり、日本国内では感染人口1万6807人、死者数883人となっている1。
感染拡大のピークが過ぎたと言われる国や地域もある一方で、外出自粛等が緩和された途端に、第2波の感染拡大に見舞われたところもある。
日本においても緊急事態宣言解除後、すでに複数の地域でクラスターが発生し、第2波の懸念が高まっている。
コロナ禍 これからの展開は?
今後の展開はどうなるのか。予測するのは難しいが、参考になる情報もある。
ハーハード大の研究チームが、4月14日にアメリカの科学誌「Science」(電子版)に発表した予測によれば、新型コロナウイルスの世界的流行を抑えるためには、外出規制などの措置を、2022 年まで断続的に続ける必要があるようだ2。
この措置の必要な期間は抗ウイルス薬やワクチンの開発、救急医療態勢の拡充などで短縮できるともされているが、現在のところ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬は確立されておらず、ウイルスに対するワクチンも実用化の見通しはたっていない。
イタリア人作家パオロ・ジョルダーノ氏の言葉を借りて表現すれば、今後のシナリオとして最も可能性が高いのは、条件付き日常と警戒が交互する日々3である。
つまり、3密を避けるなどの対策をとりつつの日常と、状況により外出自粛などの警戒が交互するような日々が来るということだろう。辛いかもしれないが、私たちはそれを覚悟しておく必要があると思う。覚悟をきめてしまったほうが気持ちは楽になる。
一方、感染症そのものと同等かそれ以上に懸念されるのは、コロナ禍の影響で、経済的・精神的に追い込まれる人々の増加である。
米労働省が5月8日に発表した雇用統計によれば、新型コロナウイルスによる経済危機で、非農業部門の就業者数が前月比2050万人減、失業率が14.7%となり、いずれも第二次大戦後最悪の水準となっている。
日本国内でも、企業の倒産や、営業の自粛によって働き口を失う人が激増した。
私は前職でフードサービス会社に勤めて、店舗のマネージャー兼バリスタとして働いていたので、営業自粛の苦しさが容易に想像できる。売り上げは激減しているが、家賃などの固定費が変わらずのし掛かってくる。これまで大切に教育してきたアルバイトさんたちの雇用も守ることが出来ない。本当に苦しい状況である。
経済的な困窮、加えて感染症によって作られる孤立は、多くの人を経済的・精神的に苦しい状況に追い詰めているし、今後その状況はより顕著に現れてくるように思う。
そんな状況を私たちが希望を持って、前向きに生き抜くためにはどうすれば良いのだろう。
今回は「考え方」に焦点を当ててみたい。
コロナ禍においても前向きに生きるための考え方とは?
私は次の3つの考え方が重要だと考える。
①人間の本質的な価値を知る
②この体験から私は何を学べるだろうと考えてみる
③一人で背負いこまなくていい
①人間の本質的な価値を知る
もしかしたら、いまこの文章を読んで下さっているアナタも、コロナ禍の影響で苦しい状況にいるかもしれない。失業してしまった、孤独が辛い、先が見えないし自分なんていなくなっても… そんな風に考えてしまうこともあるかもしれない。
状況を改善するために、助成金の申請や各種の相談を行うことはもちろん重要なことだ。だが、それらに根気よく取り組むためにもまずは自分自身の本質的な価値を知ることが大切だと思う。
私たち一人ひとりには“絶対的な価値”がある。それは、周囲の環境の変化によって増減するような相対的なものではない。
世界で共通して支持されている「基本的人権」という理念も私たちが絶対価値を有することを前提にしている。基本的人権は私たちが生れながらにしてもっている基本的価値を認めるからこそ大切に扱われるのである。
人間の絶対的な価値について、谷口雅春氏4は次のように表現している。
神は“無限”であるが、神は“あなた”一個を自己から欠くことが起れば、最早(もはや)“無限”よりも“あなた”という一個を不足したものとなるのである。あなたは、それゆえ、神にとって欠くべからざる“絶対価値”としての存在であるのである。あなたは、あなた自身の絶対価値を信じなければならない。あなたは全宇宙に於(おい)て、かけがえのない存在なのである。誰一人、あなたと同じ個性をもった存在もなければ、誰一人あなたの代用となる存在もないのである。あなたが全宇宙に於て為し得る“生き方”を誰も代行することは出来ないし、また宇宙に於てあなたの貢献し得る仕事を誰も同じように貢献することはできないのである。あなたはこの点に於て、宇宙に対して絶対価値である。あなたは神に対して唯一の絶対価値者であるのである。(『新版 栄える生活365章』215〜216頁)
一人ひとりには絶対価値があるという事実ほど、安心感を与えるものはないと私は思う。
今回のコロナ禍だけでなく、人は生きていれば様々なことがある。
仕事で失敗したり、失恋したり、肉親と死別したり、自己劣等感に苦しんだり、いろいろある。
それでもなお、減ずることのない価値を私たちは有している。もちろんアナタも。
まずはその事実を認識しよう。何やら腹の底から力が湧いてこないだろうか。
え、湧いてこない? よし、次に行こう。
②この体験から私は何を学べるだろうと考えてみる
素晴らしい価値を持っている私たちは、上述のように人生において様々な体験をする。
この人生体験には一体どんな意味があるのだろうか。
そんなことを考えてみるのも心を軽くするのに有用だと思う。
人によって多様な見方があると思うが、私は人生体験に次のような価値を見出している。
a.自分自身の精神の向上
b.他者の気持ちを理解する心の涵養(かんよう)
別に苦しみをあえてとりにいくわけではないが、不都合な状況が現れてしまったのなら、それを恐れ逃げ出すのではなく、何か学べるものはないかと考えてみる。
現に目の前に問題が現れているときには中々難しいかもしれないが、過去のことをちょっと振り返ってみると、あの失敗が、あの苦しい時期が、克己心を養い、自分を強くしてくれたというのはよくあることだと思う。また、自ら体験することによって他者の気持ちが分かるようになる。あの人はあのときこんな気持ちだったのだ、親は、友人は、こんな気持ちだったのかと。
今体験していることも、2年後、3年後の自分が振り返ったら、きっと「人生の糧になった」と思えるようになっている。
誰よりも人の気持ちが分かり、相手に寄り添える自分になっている。
そんな日が必ずくる。だから自分自身を諦めないでいてほしい。
③一人で背負いこまなくていい
多くの人が経験されていると思うが、悩みや苦しみは誰かに聞いてもらうことで途轍もなく楽になる。
話を聞いてもらうだけでも良いが、もしかしたら一人で悩んでいたときには気づかなかった解決策も見つかるかもしれない。
これまで地球上に無数の人が生まれ、様々な人生を生きてきた。
だから、おそらく、アナタの悩みがこの地球の歴史上初めて登場した悩みである、ということは無いと思う。
もちろん個別の事情はあるし、当事者にとっては深刻だが、別の人からすると解決策がすぐに浮かぶということもあり得る。
だから悩みを一人で背負いこまずに、誰か信頼できる人に話してみてほしい。
もし信頼できる人がいないという場合には、公的機関でも悩み相談の窓口5はあるから、そこでもいい。
逆にいえば、ご自分の心に余裕のある方はぜひ周囲の方の様子に気を配って、話を聞いていただければと思う。
・・・
さて、いろいろ書いてきたらまた長くなってしまった。
今回のことを、レ・ミゼラブルの言葉を借りてまとめるとこんな感じになる。
Anyway, even the darkest night will end and the sun will rise.
(どんなに暗い夜でも、明けない夜はない)
次回は、コロナ禍においても幸福に生きるためのより具体的なアクションについて考えてみようと思います。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。
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- 出典 日本国内:厚生労働省、世界:米ジョンズ・ホプキンス大学
- 朝日新聞デジタル「外出自粛、22年まで必要」 米ハーバード大が予測 https://www.asahi.com/articles/ASN4H3SY1N4HUHBI00G.html
- パオロ・ジョルダーノ著 飯田亮介訳『コロナの時代の僕ら』114頁
- 1930年立教の「生長の家」初代総裁
- 厚生労働省HP 電話相談窓口「こころの健康相談統一ダイヤル」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/soudan_tel.html
